きっかけは、2月の職場の飲み会。
同僚と話していたところ、
「あー、よくグルメ番組に出る、生卵の黄身が真ん中に1個のってる親子丼食べたい!」
「今度行こうよ!」という話になり。「でも店名なんだっけ・・・」と、調べることもないまま、
ばたばたと新年度に入ってしまったのでした。
しかし6月、彼女がその月いっぱいで産休に入ることになりまして。
私何かを忘れちゃいないか?
ああ!!親子丼!とあわてて親子丼ツアーを画策したのです。
ヤホーで調べた結果(もういいよ)、あっさり店名は「玉ひで(人形町)」と判明。
親子丼の元祖の店で、私の大好きな東海林さだお
「満腹大食堂『丸かじり』グルメガイド」にも詳しく書かれていました。
それによると、ものすごく並ぶ、らしいのです。
あの定評あるさだおの文章でも、ひたすら並んでる描写が大半、
その間に味の印象がうすれてしまったのでは?といった感じすら。
そんな所に身重の彼女を並ばせて大丈夫なんだろうか・・・?
また、店舗ホームページには、「元祖親子丼 1500円」の文字が。
せんごひゃくえん・・・。私の感覚では、がんばれば3日4日の食費になるお金。
いや、これを逃したら、きっと一生ここで食べることはない!と、思いなおし、
「うまい親子丼食べないか」メールを、他の何人かにも送る。
6月23日火曜日。よりによって炎天下。その子と本日休日の2名、計4名が集合。
「余裕を持って」開店20分前に来たのに、すでに30人が行列。
「東京の有名店なめてた・・・」
さらにテレビカメラが取材にきていて、いやが上にも緊張は高まる。
ふと壁を見ると、「この店は慶応元年に食べ物番付にも載り云々…」
みたいな紙もはられている。
「なんかすごいね」 「すごいですね」
「私たちみたいな貧乏人が入ったら、塩をまかれるのでは・・・」
そこへ、「お待たせいたしましたー」と、店員さんが開店を告げる声が!
ここからがすごかった。
さだおが行った当時より行列をさばくシステムが格段によくなったらしく、
店員さんは、客が何人グループかをしっかりと把握、
てきぱきした誘導により(方式としてはディズニーランドみたい、と思った)
みるみるうちに縮まる行列。私たちも比較的すぐ涼しい店内へ、
もたもた靴を脱いだあと、食い気味に
廊下に2列で並ぶようすみやかに案内され、すぐレジで注文。
しかしここにさらなる関門が!
「親子丼・・・4種類あるよ」
「元祖1500円・名代1300円・特上1700円・匠親子丼1900円・・・」
「違いは・・・名代だけ、東京しゃもじゃないのか・・・
あと烏骨鶏の黄身が乗ってるかいないか・・・」
「私たちにどうしろと・・・(泣)」
迫りくる後ろの客、早く注文してほしい店員!
結局テレビで見た黄身の魅力に勝てず、当初の予算より高い
「特上1700円」を頼むことに。
そこから薄暗い廊下で立って待つ・・・。
ふすま1枚隔てて、向こうはきっと親子丼天国。
想像ではおそば屋さんの高級版みたいな店で、
イス席があるのかな?と思っていたので、意外でした。
下町っ子の同僚Yさんが「本来は夜の鶏鍋の店だからねー」と言うのが納得。
なぜかYさんが今読んでいるという「纏足」の歴史研究本について熱心に語る中(笑)、
私たちも親子丼天国へ入ることを許されました。
明るーい!ほりごたつ!
そしてついに特上親子丼が目の前に!
「わーおいしそう!」卵と鶏肉のみ、玉ねぎは入っていません。
浅い塗りの器に盛られているので、まんべんなく卵がかかっていて、どこを食べても
ちゃんと卵とご飯の黄金比が保たれます。
丼ものって、中盤ご飯だけしか口に入ってこない時間が
できちゃうんだよなあ、というのが残念だった私にとって、これは画期的。
味は、甘めでしっかりめ。「わりと濃いめだね」と同僚は言ってましたが、
東北生まれにはこのくらいがちょうどいいです。
何よりも、あまりたくさんのってはいないけど鶏肉が「みっしり」した密度だったこと、
さらに1ケプラスされた生の黄身のうまさ!
私はご飯部分を選り分け、ちょっとした「卵かけご飯」風に
こっそりしてみたのですがおいしかったです。
他3名も満足、部屋の奥の出口専用ふすまから出て、すみやかに靴を出していただき、
安産の神社「水天宮」にお参りするなどして解散しました。
思い出しても、味のことより並んだことの方を鮮明に思い出す・・・。
そしてあこがれのさだお以上の感想が書けてない私。
食べ物の文章ってむずかしいですね。
最近のコメント